沖田総司と運命の駄犬
認めるしかないか・・・。~沖田side~
そんな、大した出番もなく、警備は終わった。
沖田「はぁ・・・。残党処理だけか・・・。」
僕は、残党が逃げ込んだと報告を受け、山道を歩いていた。
沖田「あー・・・。甘味食べたい・・・。あ!茶屋!土方さんっ!休憩!」
バシッ。
土方さんに、頭を叩かれる。
沖田「痛ったぁ・・・。冗談ですよ・・・。でも、甘いもの食べたいなぁ・・・。」
土方「お前なぁ・・・。今は、そんな事を考えるな!」
沖田「仕方ないじゃないですか。甘いもの全然、食べてないんですよ!」
土方「お前は、本当に、変わんねぇな!ったく!色気より食い気かよ。誰かさんと一緒か・・・。」
沖田「あんなのと一緒にしないで下さい!」
土方「随分、ムキになってるじゃねぇか?」
本当に、最近、突っかかってくる・・・。
しかも、こんな所で、梓の事を持ち出すなんて・・・。
考えないようにしていたのに・・・。
そう、僕は、梓と会わないようにしていた。
このまま、この気持ちを無かったことにしようとしてるのに・・・。
どうしても出来ない。
この気持ちを忘れようとすると、どんどん追い詰められる。
梓で、いっぱいになって、会いたくて、会いたくて、仕方なくなる。
沖田「はぁ・・・。ダメだな・・・。色恋で、辛い想いしたのに・・・。」
この先、どうなるかなんて、わかってることなのに・・・。
自分でも、わかってるんだ。
戻れない所まで来てしまってること。
もう、“手遅れ”だって事。
僕は、梓に惚れている。
土方さんにも・・・誰にも渡したくない・・・。
僕が隣にいて、僕の隣で、梓に笑っていて欲しい・・・。
沖田「はぁ・・・。あーあ・・・認めちゃった・・・。」
認めたら、急に会いたい気持ちが溢れる。
沖田「僕ってば、ゲンキンだなぁ。」
土方「何、ニヤけながら、ゴチャゴチャ言ってんだよ。気色悪ぃな。」
僕は、土方さんを睨んだ。
沖田「別っにぃ~。もう、迷いませんから!」
土方「はぁ?」
土方さんは、訝しげに、僕を、見ていたが、プィッと視線を逸らして、先を進んだ。