沖田総司と運命の駄犬
嫌な奴かと思ったけど・・・。
私は、先ほどの、沖田先輩とのお茶の片付けをするため、湯のみと皿を持って、お勝手に行った。
梓「今は、なんとか、水を汲めるようになったもんね~!」
井戸で水を汲んで、皿や湯のみを洗い片付けた。
梓「さてと!」
私は、稽古に参加させてもらおうと、道場に向かう。
その時、廊下で、伊東さんとすれ違う。
梓「お疲れ様です。」
そう言って、伊東さんを横切ろうとした時に、呼び止められた。
伊東「梓?って呼んでも良いかな?皆、そう君を呼んでるし・・・。」
梓「はい・・・。大丈夫です。」
伊東「今からちょっと良いかな?君と話がしたいんだけど。」
梓「はぁ・・・。」
嫌だけど、断る理由が見つからなかった。
伊東「そう?良かった。江戸の菓子もあるから、私の部屋に行こうか・・・。」
梓「あ・・・。二人きりで、部屋は、ちょっと・・・。」
沖田先輩と土方さんに、男の部屋には行くなとうるさいくらいに注意されていた。
ここで行ってしまったら、二人に怒られる。
伊東「そう?じゃあ、私の弟子を誘おうか。二人きりじゃなきゃいい?」
梓「え・・・っと・・・。」
ダメな気もする。
って、きっとダメだ。
梓「やっぱり・・・。」
伊東「じゃあ、こうしよう!助勤命令ってことにしようか・・・。」
梓「助勤命令?」
伊東「うん。君は、沖田君の小姓でしょ?私の方が上司に当たる。」
梓「はぁ・・・。わかりました。」
よくわからないけど。
助勤命令なんて、誰にも言われたこと無かったし。
私は、伊東さんの部屋に行った。