沖田総司と運命の駄犬
嫌な奴かと思ったけど・・・。




私は、先ほどの、沖田先輩とのお茶の片付けをするため、湯のみと皿を持って、お勝手に行った。




梓「今は、なんとか、水を汲めるようになったもんね~!」




井戸で水を汲んで、皿や湯のみを洗い片付けた。




梓「さてと!」




私は、稽古に参加させてもらおうと、道場に向かう。




その時、廊下で、伊東さんとすれ違う。





梓「お疲れ様です。」




そう言って、伊東さんを横切ろうとした時に、呼び止められた。





伊東「梓?って呼んでも良いかな?皆、そう君を呼んでるし・・・。」





梓「はい・・・。大丈夫です。」




伊東「今からちょっと良いかな?君と話がしたいんだけど。」





梓「はぁ・・・。」





嫌だけど、断る理由が見つからなかった。





伊東「そう?良かった。江戸の菓子もあるから、私の部屋に行こうか・・・。」




梓「あ・・・。二人きりで、部屋は、ちょっと・・・。」





沖田先輩と土方さんに、男の部屋には行くなとうるさいくらいに注意されていた。





ここで行ってしまったら、二人に怒られる。





伊東「そう?じゃあ、私の弟子を誘おうか。二人きりじゃなきゃいい?」





梓「え・・・っと・・・。」




ダメな気もする。




って、きっとダメだ。




梓「やっぱり・・・。」




伊東「じゃあ、こうしよう!助勤命令ってことにしようか・・・。」




梓「助勤命令?」




伊東「うん。君は、沖田君の小姓でしょ?私の方が上司に当たる。」





梓「はぁ・・・。わかりました。」





よくわからないけど。





助勤命令なんて、誰にも言われたこと無かったし。





私は、伊東さんの部屋に行った。





< 146 / 222 >

この作品をシェア

pagetop