沖田総司と運命の駄犬
ペチッ。
梓「んー・・・。」
まだ、眠い・・・。
ペチッ。ペチッ。
ギュッ。
梓「痛いっ!」
パッと目を覚ますと、沖田先輩が、私の頬をつねりながら、顔を覗いている。
梓「あれ?って痛いです!」
沖田「早く起きなよ。」
沖田先輩は、着物を着ている。
ふと見ると、二人共、裸で抱き合って眠ってしまったはずなのに、私も寝巻きを着ている。
梓「あれ?確か、昨日・・・。」
沖田先輩とエッチしたよね?
沖田「昨日が、どうしたの?」
梓「夢?じゃあ、私の告白は・・・?」
沖田「告白って?」
梓「え?いや・・・その・・・。」
沖田「そういえば、梓、昨日、厭らしい声、出してたけど、どうしたの?」
梓「夢だったの?じゃあ、私・・・。とんでもなくエッチな夢を・・・。」
沖田「えっ?えっな夢ってどんな夢?」
キョトンとしている沖田先輩に、聞かれて、私は、真っ赤になった。
梓「いえ!何でもありません!」
昨日、キスをいっぱいしたから、欲求不満になってたのかな?
無意識にあんなリアルなエッチな夢を見たの?私・・・。
恥ずかしすぎるっ!
梓「う゛ー・・・。」
私は、布団に潜り込み、気持ちを落ち着かせようとした。
沖田「何やってんの?早く起きなよ!」
布団を引っ張られて、引きずり出された。
私は、稽古に向かう沖田先輩の後ろについて行く。
一体、いつからのが夢なんだろうか・・・。
沖田先輩は、忘れてるというか知らないみたいだし。
聞いたら、それこそ、昨日みたいに笑われる。
梓「う゛ー・・・。う゛ー・・・。」
沖田先輩が、知らないということは、告白も無かったことになっているはずだ。
どこからが夢だったんだろう・・・。
すると、稽古が始まり、沖田先輩の事を自然と目で追っていた。
梓「やっぱり格好いい・・・。あぁやって黙っていたらモテモテだっただろうな・・・。あ!あと、優しくて、イジワルしなくて・・・。」
「ふーん。梓って、そういう優男が好みなんだぁ!」
梓「ギェッ!おおおお沖田先輩っ!なんで!?あそこで竹刀持ってる人が沖田先輩じゃないんですか?」
沖田「あれは、斎藤君だよ!全然違うし!見間違えたお仕置き!」
いつもは、片頬だけなのに、両頬を思いっきり引っ張られた。
梓「痛い!痛い!止めて!」
沖田「ハハハ!頬、真っ赤!」
梓「誰のせいですかっ!」
沖田「梓・・・。僕、今から見廻りなんだ。だから、土方さんと一緒に居ておいて。触れられそうになったら、差し違えても良いから。」
梓「イヤイヤ。おかしいですし!差し違えなんてありませんから!」
沖田「まぁ、半分冗談だけど。伊東さん関係の人には近付かない事!わかった?」
梓「はい・・・。」
って、冗談半分ってことは半分は本気って事?
怖いよ。
ていうか、今、伊東さんに近付くなって言った。
ということは、襲われたのは、夢じゃなかったんだ。
沖田「じゃあ、行ってくる。いい子にしときなよ?」
梓「はい!行ってらっしゃい。」
沖田先輩は、ジッと私を見つめる。
ん?何だろ?
私が、首を傾げると、沖田先輩は、フッと笑い私の頭を撫でて、見廻りに行った。