沖田総司と運命の駄犬
私は、隠れながら、屯所を出た。
昨日、あれだけ、こっぴどく振られて、普通になんて出来ない。
私は行く宛も無く歩いて、気がつけば、昨日の廃屋に来ていた。
私は、また膝を抱えて座った。
どんなに考えないようにしても、昨日の沖田先輩の言葉がぐるぐると頭の中を回る。
梓「私だけ、浮かれててバカみたい。そりゃ、皆にバカって言われるよね・・・。」
そういえば、沖田先輩と体の関係になってても、付き合おうとか言って貰って無かったな・・・。
梓「ははっ・・・。なぁんだ。最初から、沖田先輩は、遊びだったんだよ・・・。っく。うっ・・・。うっ・・・。本当に、私ってバカだ。今頃、それに気付くなんて・・・っ。」
私は、しばらく、膝に顔を付けて泣いていた。
ガタッ。
え?
もしかして、沖田先輩が、探しに来てくれたの?
こんな状況でも、そんな事を考えてしまう。
入って来たのは・・・。
知らない男の人。
「何だぁ?テメェ?」
怖い。
立ち上がって、逃げようとしたら、腕を掴まれた。
梓「痛っ!は・・離してっ!」
「こんな所で、一人で居るって事は、客を引き込んでんだろ?」
梓「客?」
「ござ敷いてその辺で、ヤるよかマシだな。お前、頭良いな。面白れぇ。俺が、買ってやるよ。」
梓「私は、そんなんじゃ・・・キャッ。」
どうやら、私は、売春をしていると勘違いされているようだ。
押し倒されて、着物を剥ぎ取られた。
「ハッ!おなご!?お前、そういうご趣味の奴の専門か?俺ぁ、どっちでもイケるからよ。楽しませろや。」
梓「ヤダッ!沖田先輩っ!助けて!」
叫んでも、沖田先輩は、来てくれるわけが無く、男は、私の体を好きにしていく。
梓「嫌っ!」
「うるせぇ!ムリヤリすんのは、嫌いでないが、声、デカ過ぎなんだよ!お前!耳が痛ぇ!」
ドカッ。
梓「う゛。」
何度も殴られて、意識が朦朧として、抵抗する力も入らなかった。
すると意識の片隅で何かが聞こえて、体に乗っていた重みが無くなった。
それと同時に私は、意識を落とした。