沖田総司と運命の駄犬
駄犬にしてやられたっ!~沖田side~
僕は、今、ドキドキと胸を高鳴らせて、この時を、今か、今かと、待っている。
そして・・・。
来たっ!!!
「次の方、どうぞ~。」
沖田「はい!僕です!えーっと!どれにしよぉ♡」
目の前には、色とりどりの美味しそうな菓子が並んでいる。
前から、目を付けていた甘味屋の菓子達だ。
開店前から、美味いと噂があり、開店早々、物凄い人気が出て、今では、並ばないと買えない。
開店日に見廻りをすっぽかして買いに行こうとしたら、土方さんに見つかり、怒られて、買いに行けなかったのだ。
それから、何度も、買いに行ったが、売り切ればっかりが続いた。
そして・・・。
今日、やっっっと買える!
沖田「じゃあ、一番人気のこれと、これと・・・。」
僕は目に入った菓子を次々と頼んだ。
沖田「ふふっ!楽しみだ♪」
颯爽と、菓子の包みを抱いて、歩いているとふと、ある店の前で立ち止まってしまった。
ジッと見ていたせいか、店主が、声をかけてきた。
店主「贈り物ですか?」
その声にハッとする。
沖田「いやっ!そんなのではないよ。ははっ。ボーッとしてただけだから!」
そう言って、その場を逃げるように離れた。
僕が、おなごの小間物屋の前で止まるなんて・・・。
プルプルと頭を振り、胸に抱いた包みを見る。
幸せな気持ちで屯所へと戻った。
部屋に戻り、菓子の一つを口に入れる。
沖田「っ!!!美味いっ!!!さすがにあれだけ並んだ甲斐があった!」
すると、周りが、うるさくなる。
『局長が帰ってこられました!』
沖田「近藤先生、戻られたんだ!」
僕は、後で、梓も呼んで食べようと、棚に菓子の包みを入れた。
沖田「さてと!」
僕も、近藤先生のお出迎えに行く。