沖田総司と運命の駄犬
僕達は、手を繋いで、町を歩く。
店に着くと、やはり長蛇の列になっている。
梓「うわぁ!凄い・・・。」
沖田「だから言ったでしょ?ったく。さ、並ぶよ?」
僕達は、最後尾に並ぶ。
梓「それにしても、凄いですね・・・。さっきは、ごめんなさい。」
沖田「わかったならいいよ。梓、そこ邪魔だよ?こっちおいで。」
梓「は、はい。」
僕は、梓の肩を抱く。
ドキドキする・・・。
梓を見ていると、梓が僕の視線に気付いたのか、僕の方を見たから、僕は、梓の頬を撫でた。
沖田「ねぇ、梓・・・。よく聞いて?伊東さんには、気をつけて?」
梓「え?伊東さん?」
僕は、念の為、梓に忠告をする。
梓は、すぐに人を信用してしまうから、このくらいは言っておかないとだよね。
沖田「最初に言っておかないと。梓のことだし、また変なことにならない前に・・・ね?わかった?」
梓「は、はい・・・。って、私のことだしって!酷くないですか?」
沖田「酷くない?って、大体、梓って厄介事持ち込むし!」
梓「そんな事ありませんっ!」
沖田「じゃあ、なんで、1日に二回もここに並ばなきゃいけないわけ?」
梓「あ、あれは、もともと、沖田先輩が、私の菓子を取ったからっ!」
沖田「あとで一緒に・・・っていいよっ!もう!」
クスクス。
え?
周りを見ると、皆が、僕達を見て、笑っていた。
「あんたら夫婦さんか?仲ええなぁ。」
沖田・梓「め、夫婦!?」
どうやら、僕達は、勘違いされてるようだ。
僕は、即答する。
沖田「ち、違いますっ!こんなのと!」
梓「そ、そうです!私だって嫌ですっ!」
梓に拒否をされるのは、面白くない。
沖田「はぁ?梓が、そんな事、言える立場なの?」
梓「この件に関しては言えますっ!」
沖田「生意気っ!」
僕は、梓の頬をつねった。
梓「痛いですっ!」
「お似合いやんか!」
「ほんまやねぇ。賑やかそうで。ふふふっ。」
完全に勘違いしてる。
梓「ち、違います!」
これは、何を言ってもダメだ。
沖田「何言っても笑われるだけだから、黙っておこう。」
梓「はい。」
僕は、キュッと梓を、抱きしめた。
少し離れ難いけど仕方ない。
僕は梓と手を繋ぎ直した。
朝と同じくらい並んでやっと買えたけど、梓と一緒に並んでいると、たまに、心が、掴まれてるみたいになる。
やっと、順番が、回ってきて、僕は、菓子を選んで買った。
屯所に戻ると、僕は、お勝手に行く。
沖田「先に、これ持って、部屋に行ってて?お茶、用意して来る。」
梓「私、行きます。」
沖田「いいよ。僕がやった方が早いから。」
梓も出来るようになってるけど、早く菓子が食べたいし、僕が、した方が早い。
梓を部屋に行かせると、僕は、お勝手に行った。