沖田総司と運命の駄犬
また、廊下で待っていると、梓の声がした。
梓『うわっ!』
中から、梓の多分、一人で“何かをやらかした”声がした。
沖田「どうしたの?」
ガタガタという音と、梓の何かの独り言の声がする。
沖田「いつまで、待たせるの?こんな所に突っ立ってるの恥ずかしいんだけど!」
梓が、急いで出てきた。
・・・が!
沖田「っ!」
梓「す、すみません。媚薬の粉を被ってしまって・・・。」
結構な量を被ってしまったらしく、髪の毛が粉だらけだ。
これ、ちょっと、しっかりしないと、持ってかれる・・・。
何で、こんな、修行みたいなことしなきゃいけないんだよ。
バカ梓・・・。
沖田「い、行くよ。」
僕が、急かしてしまったのもあり、後、役目を終えた芸妓の湯浴みの為、もう一度入れとは、言えなくて、僕は、梓の手を引いた。
握った手が、ギュッと握り返された。
少しでも、気を許すと、梓に、襲いかかりそうになる。
何なんだよ。
着いたら、水浴びさせなきゃだ。
僕は、急いで屯所に戻った。