沖田総司と運命の駄犬
空が、白くなって来た頃、梓は、僕に、抱きつきながら眠った。
僕の腕の中で、梓は、甘い声と共に、僕を好きだと、何回も、言っていた。
沖田「まさか、僕が、梓とこんな関係になるなんて、出会った頃は思わなかったな。」
僕は、梓をギュッと抱きしめて、目を瞑る。
・・・・・・・・・。
沖田「ん・・・?」
なんか、冷たい・・・。
目を覚ますと・・・。
沖田「はぁ・・・。やっぱり・・・。」
僕の腕は、梓のよだれで、ベトベトだ。
沖田「それにしても、僕に、抱かれてるときの梓は、可愛いのに、何で、寝顔は、こんなに色気の欠片もないんだろう・・・?」
僕は、シュッと腕を抜いた。
梓「ん・・・すぅ・・・。」
まぁ、あれだけ疲れてたから、起きる訳ないか・・・。
僕は、梓の唇に軽く口付けをした。
あ!そうだ♪
僕は、悪戯を思い付く。
梓の寝巻きを綺麗に着せて、布団も二組敷く。
沖田「起きて、普通の状態だったら、また、厭らしい夢を見たとか思うのかな?さすがに、それはないか。でも、梓だしな・・・。くくっ。面白い梓が、見れるかも。」
僕は、着替えて、稽古場に向かった。
ガラガラッ。
そこには、先客がいた。
沖田「あれ?斎藤君。早いんですね。おはようございます。」
斎藤「あぁ。おはようございます。沖田君こそ。」
沖田「折角だし、手合わせお願いしても良いですか?」
斎藤「もちろん。」
僕達は、何度も手合わせをした。
すると、いつも寡黙な斎藤君が、珍しく、口を開いた。
斎藤「沖田君、何か良いことでもあったのか?」
沖田「へ?どうして?」
斎藤「なんか、剣が・・・。」
わかっちゃったか。
僕は、少し恥ずかしくなる。
沖田「まぁ・・・。あ・・・そろそろ、終わりましょうか?」
周りが、ザワザワしている。
皆が、起きてきたようだ。
斎藤「そうだな。ありがとう。」
沖田「こちらこそ。」
僕は、道場を出た。