沖田総司と運命の駄犬
放課後・・・。
私は、先輩から、渡された、メモを見ながら、その場所へ行った。
後ろから、女子が、付いて来ていたが、巻くと、後で、何を言われるか、わからないから、そのままにした。
梓「ここ・・・?」
ゲームセンターだ。
私の思い浮かべる甘い告白の場所とは、かけ離れたうるさく賑やかな場所。
そこに、真剣にお菓子のクレーンゲームをしている沖田先輩がいた。
あ・・・。いた。
私は、近寄り、先輩に声をかけた。
梓「あの・・・。遅くなって、すみません。」
真剣で、聞いていない。
梓「あのっ!」
私が、沖田先輩の耳元で、大声で、怒鳴ると、ビクッとした沖田先輩の手元が狂い・・・。
ポチッ・・・。
狙っていた場所で止められなかったらしく・・・。
沖田「ああぁぁぁぁ!!!!」
物凄く、睨まれた。
沖田「普通さぁ、状況を判断・・・って、おぉ!?いけっ!」
一瞬、氷のように冷たい目で見られたかと思うと、すぐに視線はクレーンゲームに戻り、沖田先輩は、興奮している。
クレーンは、チョコを掴み上げて、ユラユラ揺れながら、ポトッとかごにチョコが入った。
沖田「やったぁ!念願のプレミアムチョコ!!!!会いたかったよぉ!」
沖田先輩は、取り出し口から、景品を取り出すと、ギュッと、それを抱きしめて、景品にキスをしている。
私が、沖田先輩のはしゃぎように、ついて行けず、ポカンとしていると、ニッコリ笑った沖田先輩が言う。
沖田「さっきは、ごめんね?行こっか?」
大事そうに、チョコを抱きしめて、鞄にしまっていた。
私は、沖田先輩について行く。
沖田「後ろの子達、邪魔だから、巻くね?ちゃんと、付いて来て?」
梓「え?」
そう言うと、沖田先輩は、私の手を取り、走り出した。
そして、どこを、どう走ったのか、わからないまま、着いたのは、古い日本家屋。
『占い屋 忠兵衛』と書かれた看板。
梓「占い屋?」
こんな所に、占い屋なんて、あったんだ。
すると、沖田先輩に手を、引かれて、店の中に入った。