沖田総司と運命の駄犬
次の日の朝。
私は、占い屋 忠兵衛に来ていた。
私は、部屋を借りて、平成の時に着ていた服に着替えた。
忠兵衛「さぁ。準備は出来ましたね?この扉を通るときは、振り向かないように。」
梓「はい。」
私は、息を吸い込み扉の前に立った。
生まれ変わる・・・?
本当にそれで良いの?
きっと、光に包まれたら、もう二度と、沖田先輩には、会えない。
私は、最後に沖田先輩と抱き合った時の事を思い出していた。
抱き合った時、沖田先輩は、震えていた・・・。
震えていた・・・?
震えていたんじゃなくて、泣いてた?
泣いてたんだ!
私を力いっぱい抱いて泣いてた!
沖田先輩は、私と離れるのが嫌で、泣いてたの?
私だって嫌だ!
沖田先輩と離れるなんて嫌!
そんなの嫌だ!
そう思った瞬間、光に包まれたが、私は、振り返った。
忠兵衛「ちょっ!振り返ったらっ・・・っ!」
目の前が、明るくなり、目を瞑る。
町のザワザワという音が聞こえて、ゆっくり目を開けた。
そこは、見慣れた江戸時代、京の町。
梓「良かった!タイムスリップしてない!」
私は走った。
沖田先輩に、何とも思われてなくても側に居たい。
側に居れるだけで・・・。
急いで角を曲がるとどこからか怒鳴り声がした。
「危ないっっ!」
ドンっという衝撃があり、私は、気を失った。