沖田総司と運命の駄犬
しまったぁぁぁ!寝てしまった!
バッと、起き上がると、布団に寝かされていて、隣の布団では、沖田先輩が寝ている。
梓「やってしまった・・・。」
いつもなら、蹴られて、起こされるのに、昨日の晩は、わざわざ、布団敷いて、寝かせてくれたんだ・・・。
隣で、スースーと寝息を立てている沖田先輩を覗き込む。
梓「この人、沖田先輩だよね・・・?まさか、偽物?」
パチッと、沖田先輩の目が開いた。
梓「ウワッ!」
沖田「本っっ当、失礼な奴だよね?僕が、優しいと、偽物なワケ?」
梓「いえ!決して、そんな・・・っ。ありがとうございます!」
ん?
沖田先輩、目が、腫れているような・・・。
梓「沖田先輩・・・。何か、あったんですか?」
そう、訊ねると、沖田先輩は、一瞬、固まったが、すぐに、意地悪な顔になる。
沖田「あったよ。飼い犬がね、昨日、逃げてね、夜中まで、探していて、クタクタ。お説教しようと、動くなと言っておいたら、ご主人様より、先に寝てるの。」
梓「う゛・・・。」
沖田「でね?蹴っ飛ばして、起こそうかと、思ったんだけど、あまりにも気持ち良さそうに寝てるから、布団を敷いてあげたのに、ご主人様を偽物扱い。この飼い犬、一回、痛い目に遭わないとわからないのかなぁ。ね?梓♪」
怖い・・・。
とびきりの笑顔で、一気に言われた。
それが、余計に怖かった。
梓「あの・・・。ありがとうございました!」
私は、飛び起きて、支度を、済ませて、外に出た。