沖田総司と運命の駄犬


ゆっくり目を開けると、そこは、どこかの屋敷?




どこだろう?




それにしても、侍が多い。




私は見つからないように、隠れながら、辺りを伺っていると見知った顔が、目に入った。




梓「近藤さんだっ!」




私は、走って、近藤さんの後を付けると、部屋に入っていく。




私は、部屋に飛び込み、いつものように、近藤さんに抱きついた。





梓「近藤さんっ!」




近藤「うわっ!っ!曲者!?・・・お?」





梓「近藤さんに会えて良かったですっ!あの・・・っ。」





近藤「なんと!黒猫か・・・。驚かせおって!コラコラ、ちと離れろ。」




クロネコ?




そういえば、いつもより近藤さんが大きい。





え?




自分の足元を見て腰を抜かしそうになる。





肉球・・・。




私、猫になってるっ!




軽くパニックになっていると、近藤さんは、私の頭を撫でながら言う。




近藤「お前の力で、総司の病を治してやってくれ。黒猫は・・・肺の病を治すんだろう・・・っ。」





近藤さんは、言葉を詰まらせながら、涙を滲ませて私の頭を撫でた。




沖田先輩が、肺の病?




近藤「総司の側に居てやってくれ。先ほどのお前は、まるで、梓のようだった。行くぞ?」




そう言うと、近藤さんは、私を懐に入れて、立ち上がった。




< 216 / 222 >

この作品をシェア

pagetop