沖田総司と運命の駄犬
うちの犬、知りませんか?~沖田side~
数日後、刀の手入れをしていると、横に、座り、字の練習をしていた梓が、顔を上げて、僕を見つめる。
また、何か、余計な事を、考えてるのかな。
すると・・・。
梓「私、何で、男の格好なんですか?着物とか、簪とかしてみた・・・ぃ。」
わらしの癖に、色付いて・・・。
僕は、睨んで言う。
沖田「土方さんが、梓から目を離すなって言うから・・・。いつでも一緒にいなくちゃいけない。おなごの格好なんかされたら、お美代ちゃんに、また、勘違いされるじゃないか。」
そう言うと、梓がボソッと言う。
梓「沖田先輩って、本当に、お美代さんが好きなんですね。」
その言葉に、僕は、真っ赤になった。
沖田「う、うるさいよ!梓のくせに、生意気!」
そして、少し、じゃれてると、梓が気になる事を言う。
梓「犬じゃないし!沖田先輩に、可愛いなんて、思ってもらおうとなんて、思ってませんからっ!」
可愛いと思って欲しい相手がいるの?
沖田「へぇ。じゃあ、誰に、可愛いと思われたいの?ん?」
梓「言いませんっ!」
しまったとばかりに、梓の顔が赤くなる。
沖田「だったら、言わせるまでだっ!」
僕は、梓のわき腹をくすぐった。
梓「キャッ!ヤダ!アハッ。くすぐったい!止めて!」
沖田「答えろっ!」
梓「い、言いますから!止めてっ!」
くすぐるのを止めて、梓を見つめる。
沖田「誰?」
梓「沖田先輩の知らない人です。」
沖田「もしかして、梓がいた所に、恋仲がいたとか?」
それなら、とても、苦しい事だ。
梓「えっと・・・。」
梓は、少し考えて・・・。
梓「役者さんが好きなんです!」
沖田「役者と恋仲だったの?」
梓「いえ。喋ったことも無いです。」
え?それって・・・。
考えると、おかしくなる。
沖田「ぷっ!それって、ご贔屓にしてるだけでしょ?アハッ。アハハハハッ!本当に、梓ってわらしなんだ!くくっ。」
そう笑うと、梓は、顔を、真っ赤にした。
梓「い、良いじゃないですか!ご、ご贔屓でも、好きなものは、好きなんです!」
沖田「はいはい。ぷっ。」
梓は、「もういいですっ!」と言い、出て行った。