沖田総司と運命の駄犬
沖田「僕は、文久2年から、時渡り・・・ここでは、タイムスリップか・・・をしてきたんだ。君を探しに来た・・・。」
梓「私を探しに・・・?」
沖田「そう・・・。実は、君に、僕のいた時代に、来て欲しい・・・。」
言ってる意味が、全く、わからない・・・。
私の考えてる事が、わかったのか、沖田先輩は、優しい笑顔で説明を続ける。
沖田「実はね、僕が、兄のように、慕っている、土方さんって人がいるんだけど、その人が、何かに、取り憑かれてね・・・。助けてあげたいって思ったんだ。それで、僕は、摩訶不思議な力を持つ、陰陽師の所に行ったんだ。そしたら、その人が、この時代の君を連れて来いって・・・。そしたら、土方さんに憑いてる物をその子が、祓ってくれるってお告げが、出たって。だから、僕と一緒に、幕末に、行ってくれない?」
無理だよね?
断っても良いよね?
こんな訳わからない事、受ける方が、おかしいよね?
梓「ごめんなさい。私・・・。そんな、特殊な力を持ってるとは、到底、思えません。」
沖田「別に、君にどうこうしてもらおうとか、思ってないよ。君が、時を渡って、幕末に来てくれればいいだけだ。あっちの時代もなかなか良いもんだよ?」
良いもんだよって、ちょっと、そこのコンビニに行く訳じゃないんだから・・・。
梓「でも・・・。帰ってこれるんですか?行き方だって・・・。それに、行って、もし、帰って来れなかったら・・・。」
沖田「大丈夫だよ。僕が、君を、護るから。帰り方だって、この占い屋、忠兵衛に頼んだら、あっという間だよ?お願いっ!このとおり!」
沖田先輩は、顔の前で手を合わせて、土下座する勢いだ。
沖田「土方さんは、侍になりたいんだ!この時代に、来て、書物を調べたら、後、少しで、そのチャンスが巡ってくる!それを、逃すと、彼は、歴史に、名を残せないどころか、侍にすらなれない!お願いっ!君だけが、頼りなんだっ!」
私の手を握りしめて、土下座をする沖田先輩。
私は、手を握り返した。
梓「わ・・・。わかりました!わ、私で良ければ・・・。行きます!その代わり、帰って来れるんですよね?」
沖田「大丈夫!僕だって、時を渡って来たんだ!ありがとう!梓!」
沖田先輩は、満面の笑みで、私を、ギュッと抱きしめた。
取りあえず、用意などがあるため、いったん家に帰る事となり、解放された。