sunshine of my life-切ナイ恋物語-
仕事を終え、家に帰ると
部屋の灯りが付いていた。



いつもはまゆが来て俺を待っているから
今日も普通にまゆが居るのかと思い
北海道行きを話さなければならない憂鬱さで
足取りが重かった。


何て言って話を切り出そうか
考えながら部屋のドアを開けると
そこに居たのは
まゆじゃなくて裕太だった。



『お疲れ〜金返しに来た』



裕太はジャンプを読みながら
ポケットから封筒を出し
俺に差し出した。



そうだ。
この間の麻雀の時
裕太に2万貸したんだった。



部屋に居たのが裕太で
ちょっと安心した。



俺の家はいつでも誰でも自由に出入りできる家だ。
俺が居なくても
友達が勝手に部屋で寝てたり
勝手に漫画借りてったり。


それだけ仲間を信頼していたし
物がなくなってもいつの間にか元通りに戻ってたりするから、俺もそれ程細かい事を気にしなかった。



まゆとラブタイム中はちゃんと鍵は締めるけどね。




俺のおやじはスナックを経営しているから
帰りが真夜中で
母親もタクシー運転手をしていたから
交代勤務で夜中から朝方にかけて仕事の時もあれば、日中仕事で夕方帰ってくる事もあった。


1つ下の妹も
行ってれば高2だけど
中退して遊び狂ってたから
家に居ることも少なかった。


その為
玄関は鍵を締めてあるけど
裏口は年中いつも開けっ放し。
だから友達は勝手に入り浸るし
まゆもそこから自由に出入りしていた。


なんて不用心な家なんだと思われがちだけど
盗まれる金目の物はないし
ボロ屋だから
どこから見ても
金持ちの家には見えない家だった。





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