Green Magic〜草食系ドクターの恋〜
「いや、ここまではっきりと言われるとは思わなかった。でも、当たりだよ」
百井さんの顔は、まだ申し訳なさそうだった。
隣の瞬は、自慢げな表情をしていた。
「瞬、すごいな。お前の彼女」
「だろ?惚れるなよ」
「あぁ、親友の彼女を横取りする趣味はないし、お前のデレデレした顔をもっと見たいしな」
「はぁ?」
「自覚してないのか?百井さんの顔を見るときの緩みきった顔ときたら見てられないぞ?」
「ジラフ、お前!」
僕たちが言い合っていると、百井さんは笑いをこらえられなくなったのかプッと吹き出していた。
「睦美、なんだよ」
「いや、仲が良いんだなって思ってね」
嬉しそうにそう言う百井さんの隣で、何か言いたげだが言わない瞬は、目の前の料理を頬張っていた。
瞬が彼女を選んだ理由がなんとなくわかった気がした。
こんなに瞬の表情をコロコロ変えることができる子はなかなかいないだろう。