小生意気な悪魔



「いないわよ…」



「へ??」



「いないっつってんの!!彼氏なんか!!」


いきなり怒り出した私に松浦はキョトンとした顔をしている


その顔を見て短気な私の怒りはヒートアップ


「返せ…


私のファーストキス返せ!!」



「ファ…ーストキス??


…まじ??υ」



「この状況で嘘着くと思う??


てか普通考えたら私みたいながさつな女、彼女にしようなんて物好きいないから。」



ムキになって自分でそう言ったものの

ほんとはすごくトラウマなんだよね…



「キスとかまじありえない…


初めては大好きな人と…好き同士でしたかった…」



気づくとまた涙が溢れていた


松浦は同情のような哀れんだような目で真っ直ぐ私を見ているように見えた



「ごめん…」


そう言って私の手を握ってきた


ドキドキしてしまう自分にムカつく…

やっぱり好きなんだって体中が疼いてる


けど…


「か…帰る。離して。」


これ以上触れられてたら気持ちがあふれてしまいそうだと思った



もう終わったと思った




そのとき、



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