素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
数発の花火が打ち終わるまで長く続いたキス。

キスで潤った唇が名残惜しげに引き離されると、優しい色を含んだ瞳が私を見つめた。


「今年の友花は、もっと図々しく欲張れるようになること」


少し前の迷いを完璧に見透かした瞳に笑いかけると、愛おしい瞳がそれに応えてくれる。


たとえばそんなことを――……

こうして見つめ合って触れ合えることに幸せを感じながら、これからも彼と過ごす時間を大切にしていきたい。

新たに芽生えた強い想い。

終わったと思った花火が夜空を再び明るいオレンジ色に染めて、私達を見守ってくれる気がした。


第1話END
< 36 / 49 >

この作品をシェア

pagetop