素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
いつもよりずっと低くしゃべる拓斗くんが、電話越しでぺこぺこと頭を下げているのが想像できる。
私なら警備員さんに頼めば鍵は開けて貰えるけど、拓斗君は新入社員だし。誰か一緒にじゃないとダメとか、断られたのかも。
彼の状況を察しつつも、しばしそのまま考える。
出張で東京を離れていた柏原さんと会うのは1ヵ月半ぶりだ。ふたりで過ごす時間は1秒でも惜しい。
でも、拓斗くん。このままだと困るだろうし……。
スマホを耳に押し当てたまま、視線をちらりと柏原さんへ流す。
すると、ベッドに片肘をついていた彼がゆっくりと身を起こし、さらりと一言告げる。
「行って来れば」
「すみません。そうしますね……」
「ああ。気にすんな」
伏し目がちに返すと、ふわりと頭を撫でられる。
すぐに服を着替え、電車で片道30分の会社に向かうことにした。
私なら警備員さんに頼めば鍵は開けて貰えるけど、拓斗君は新入社員だし。誰か一緒にじゃないとダメとか、断られたのかも。
彼の状況を察しつつも、しばしそのまま考える。
出張で東京を離れていた柏原さんと会うのは1ヵ月半ぶりだ。ふたりで過ごす時間は1秒でも惜しい。
でも、拓斗くん。このままだと困るだろうし……。
スマホを耳に押し当てたまま、視線をちらりと柏原さんへ流す。
すると、ベッドに片肘をついていた彼がゆっくりと身を起こし、さらりと一言告げる。
「行って来れば」
「すみません。そうしますね……」
「ああ。気にすんな」
伏し目がちに返すと、ふわりと頭を撫でられる。
すぐに服を着替え、電車で片道30分の会社に向かうことにした。