[完]最初で最後の大きな嘘





私は、それからもみんなのことを




ずっと見ていた。







私の死は


みんなに何かを与えられた気がして



私自身、前向きになれた。





私が死んでもみんなが頑張ってる姿を見ると



まだ、私の人生は終わりじゃなくて


動いてるって気がした。






隼人くんと愛実が付きあったことも


嫌じゃなかった。


むしろ嬉しかった。



こんなこと言っても信じてもらえないかも

しれないけど


隼人には幸せになって欲しかった。



幸せっていっても人によって幸せの感じ方は


違う。




仕事を成功させることが幸せ



って思う人もいるかもしれないし





良い最後を迎えられたことが幸せ




って思う人もいるし




愛の形がいろいろあるのと同じで



幸せにもいろんな形がある。





でも、隼人くんにとっての幸せは



支えてくれる人と出会うことだって思った。




隼人くんも色々抱えてる。



私がいなくなってしまって



簡単に乗り越えることなんてできないと思う




だからこそ私以外の人とちゃんと



幸せになってほしかった。





< 615 / 618 >

この作品をシェア

pagetop