[完]最初で最後の大きな嘘
私は、それからもみんなのことを
ずっと見ていた。
私の死は
みんなに何かを与えられた気がして
私自身、前向きになれた。
私が死んでもみんなが頑張ってる姿を見ると
まだ、私の人生は終わりじゃなくて
動いてるって気がした。
隼人くんと愛実が付きあったことも
嫌じゃなかった。
むしろ嬉しかった。
こんなこと言っても信じてもらえないかも
しれないけど
隼人には幸せになって欲しかった。
幸せっていっても人によって幸せの感じ方は
違う。
仕事を成功させることが幸せ
って思う人もいるかもしれないし
良い最後を迎えられたことが幸せ
って思う人もいるし
愛の形がいろいろあるのと同じで
幸せにもいろんな形がある。
でも、隼人くんにとっての幸せは
支えてくれる人と出会うことだって思った。
隼人くんも色々抱えてる。
私がいなくなってしまって
簡単に乗り越えることなんてできないと思う
だからこそ私以外の人とちゃんと
幸せになってほしかった。