最初で最後の、恋だった。
★暗い家
吃驚した…!
まさか輝飛先輩とぶつかるだなんて!
アァ…かっこよかったな、先輩。
シャンプーか何かの爽やかなにおいが、まだ残っている気がする…。
何のにおいかわからないけど…凄く良いにおい。
先輩とぶつかり、ドキドキしながら家へ向かうも。
家へ向かうのと同時に、気持ちもドンドン落ち込んでいく。
「ただいま…」
声を出しても、答えてくれる人はいない。
…当たり前だ。
私はお弁当を洗うため、台所へ向かうための扉を開けた。
すると、リビングのソファーに座っている男の人がいた。
…お兄ちゃんだ。
いたのなら、「お帰り」言ってくれれば良いのに…。
「…ただいま」
一応もう1度言うけど、何もお兄ちゃんは言わない。
借りて来たらしいテレビを見ながら、コーヒーを飲んでいるみたいだ。