最初で最後の、恋だった。
ギシッ…とベッドの軋む音がする。
怖い…
あたし…
先輩が…怖イ……。
先輩は、色なき瞳で、あたしを見つめた。
無表情で、相変わらず冷たい雰囲気が漂っている。
「望愛ちゃん…」
「…ッ!」
「怖がらないで…」
「…」
無理だ。
怖がらないでなんて…いられない。
何でだろ…。
先輩が、怖い。
“あたしのため”何の躊躇いもなく人を殺せる先輩が。
怖くて…タマラナイ。
「望愛ちゃん…」
「ヒッ…」
「俺のこと、嫌い…?」
まるで見捨てられた子猫のような表情だ。
冷たくて、怖いのに…何でだろう?