最初で最後の、恋だった。







ギシッ…とベッドの軋む音がする。





怖い…

あたし…

先輩が…怖イ……。





先輩は、色なき瞳で、あたしを見つめた。

無表情で、相変わらず冷たい雰囲気が漂っている。





「望愛ちゃん…」

「…ッ!」

「怖がらないで…」

「…」



無理だ。

怖がらないでなんて…いられない。




何でだろ…。

先輩が、怖い。

“あたしのため”何の躊躇いもなく人を殺せる先輩が。

怖くて…タマラナイ。




「望愛ちゃん…」

「ヒッ…」

「俺のこと、嫌い…?」



まるで見捨てられた子猫のような表情だ。

冷たくて、怖いのに…何でだろう?






< 103 / 157 >

この作品をシェア

pagetop