最初で最後の、恋だった。







「先輩ッ!輝飛先輩ッ!!」



あたしは泣きながら先輩に声をかける。



「…このまま…ジッとしていれ、ば…治るから……」



辛そうなのに、何故か先輩は笑う。





どういうこと?

何で先輩、こんなに苦しそうなの?




もしかして先輩…

何か病気でも抱えているの?

これが発作と言われれば…納得がいく。





「先輩ッ!
薬ありますよね?
どこにあるんですかっ!?」

「……ッ」

「先輩ッ!!!」

「…ッ鞄の…中……」

「失礼します!」



あたしは急いで、先輩の鞄を開ける。

しかし中には教科書・ノート・筆箱など沢山入っていて、どこにあるかわからない。



「先輩!どこにあるんですかっ!?」

「…キャ…ディ……」



ふと、先輩の苦しげな呼吸が静かになる。






< 105 / 157 >

この作品をシェア

pagetop