最初で最後の、恋だった。
「先輩ッ!輝飛先輩ッ!!」
あたしは泣きながら先輩に声をかける。
「…このまま…ジッとしていれ、ば…治るから……」
辛そうなのに、何故か先輩は笑う。
どういうこと?
何で先輩、こんなに苦しそうなの?
もしかして先輩…
何か病気でも抱えているの?
これが発作と言われれば…納得がいく。
「先輩ッ!
薬ありますよね?
どこにあるんですかっ!?」
「……ッ」
「先輩ッ!!!」
「…ッ鞄の…中……」
「失礼します!」
あたしは急いで、先輩の鞄を開ける。
しかし中には教科書・ノート・筆箱など沢山入っていて、どこにあるかわからない。
「先輩!どこにあるんですかっ!?」
「…キャ…ディ……」
ふと、先輩の苦しげな呼吸が静かになる。