最初で最後の、恋だった。
☆☆☆
「ただいま。
…アレ?やけに静かだね」
「のんくんなら、出掛けましたよ」
あたしは夕食の食材を刻みながら答える。
息子はノゾムと言うので、のんくんだ。
呼びたくないけど、叔母さんがのんくんと言うから。
「あらそうなの?
望愛、今日の夕食は何?」
「ステーキです」
「ステーキ?
アンタそんな高いもの、何で買ったんだい!?」
「安売りしていたので」
「そうか」
「ただいま」
叔父さんも帰ってきた。
てか叔母さんのあたしへの態度は、完璧召使へ言っている。
あたしはアンタのメイドでもないし家政婦でもないし奴隷でも召使でもない。
何でそんな扱いされなくちゃいけないんだよ…。
あたしを呼んで良いのは先輩だけ。
先輩ダケナノ…。