最初で最後の、恋だった。
あぁ。
あたし、先輩と別れたのに。
何で先輩のことばかり考えるんだろう?
心のどこかでは、
あたし…先輩が大好きなんだ…。
「そういえば望愛」
『望愛』
先輩…あたしのこと呼んでくれたな……。
「望愛、聞いているのかい」
「あ、ごめんなさい。何ですか?」
あたし、本物の奴隷だ。
家政婦でも、もっと良い声をかけてくれるのに。
そういえば。
あの先輩の家の家政婦さんの作る料理、美味しかったけど味が薄かった。
もしかして、先輩の病気を知ってのことだったのかな?
「望愛ッ」
「はいっ」
やばい。
叔母さんの話、何にも聞いていなかった。
考えるのは、
先輩ノコトダケ……。