最初で最後の、恋だった。
★先輩が好きです。
次の日。
あたしは学校からの帰り道、先輩の家に向かって歩いていた。
先輩に、会いたくて。
『どうしたの望愛ちゃん』
『輝飛先輩に会いたいんですけど』
『輝飛?
アイツなら、今日休みだよ』
『そうなんですか…。
奥田先輩、ありがとうございます』
先輩、何で休みなんだろう?
まぁ昨日、発作起こしちゃったもんね…。
病院とかにでも行くのだろうか?
「望愛様」
「あ、家政婦さん」
インターフォンを押そうとして、家政婦さんを見かける。
この人、いつも良いタイミングで現れるよね。
「どうされましたか?」
「輝飛先輩に会いたくて…」
この人は知っているのかな?
まだ8時じゃなかったから、この人もいる時刻。
もしかしたら、涙を流しながら帰るあたしを見ていたかも。
アハ、恥ずかしい所見られたなぁ。