最初で最後の、恋だった。







屋上には、アッサリ入れた。

あたしは、学校の屋上よりも広い屋上を歩く。



でも、

先輩はいない。




「輝飛…」




あたしは呟く。

気が付けば、泣いていた。




「…ッ」




ねぇ、先輩。

ごめんなさい。

あたし、先輩を信じると決めたはずなのに。

どうしてあたし、先輩を信じられなかったんだろう?




別に良いのに。

先輩がお兄ちゃんや山野雅たちを殺しても。

だって、全て“あたしのため”なんでしょう?



あたし、怖いと思いながらも、嬉しかったんだ。

あたしをそこまで愛してくれていたんだって。

先輩のあたしへの愛の強さを知れた気がするんだ。



あれは先輩の。

先輩なりの…愛情表現だったのに。







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