最初で最後の、恋だった。






それを怖いだなんて…。

何で思ってしまったんだろう?



先輩の歪んで狂って壊れた愛。

あたしがずっと、思い描き続けてきたのに。



あたしは両親が亡くなり、お兄ちゃんに暴力を振るわれるようになってから、愛されたいと思っていたんだ。

同時に、誰かを愛したくてたまらなかった。




例えそれが歪んだ愛でも。

あたしを大事に思ってくれているのなら、良かったのに。

“あたしのため”なんだから。

…怖いと思ったあたしが、信じられない。

そっちの方が怖い。




先輩。

輝飛先輩。

あたしの…輝飛。




もう1度抱きしめて。

もう1度キスをして。

のんくんに犯されたんだよ、あたし。

その分あたしを愛して。

あたしも先輩が望む分だけ愛をあげるから。




もう1度、

あたしにあの笑顔を見せて―――…。






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