最初で最後の、恋だった。
あたしから輝飛を奪ってしまったら。
きっとあたしには、何も残らない。
それほどあたしの中で、輝飛は大きな存在になっていたんだ。
なくてはならない存在になっていたんだ。
あたしの幸せは、輝飛なしでは語れない。
あたしの闇も哀しみも、輝飛が取ってくれた。
あたしの光や喜びは、全て輝飛がくれた。
あたしの隣には、
―――いつも輝飛がいた。
「―――輝飛ッ!」
あたしは力の限り叫んだ。
もう2度と、幸せを逃さないために。
「…」
輝飛はゆっくり振り返る。
そして、徐々に瞳に色が宿る。
「…望愛……?」