最初で最後の、恋だった。
「オレ、お前が憎いの。
お前がウザいの。
昔から、父さんも母さんも、お前の味方。
喧嘩して、どう考えてもお前が悪いのに、俺のせいだって言ってた。
…許せなかったんだ。
お前も、父さんも、母さんも。
父さんと母さんが死んで、嬉しかったよ。
もうオレのせいにする奴はいない。
…それなのに、お前が生き残っている。
最初は最悪だと思ったよ。
でも、よく考えれば、お前は生きていて良かったと思う。
だって、お前は最高のオレのストレス発散道具だ。
誰にだって、取り柄はあるものだな」
「アハハ」と笑いながら、お兄ちゃんはあたしを殴る。
あたしを蹴る。
ストレス発散道具…。
あたし、人間と思われていないんだ。
妹と思われていないんだ…。
あたしは泣いた。
お兄ちゃんは再び殴る。蹴る。
「気持ち悪い」って。
何しても、殴られる。蹴られる。
なら抵抗しても、泣いても、怒っても、無駄だ。
…何もしないのが1番だ。
あたしは頑張って耐えた。
ますますブスになったら、輝飛先輩に会えない。
輝飛先輩…。
あたし、
アナタニ、
会イタイ……。