最初で最後の、恋だった。






「ちなみにワタシ、オーナーとは双子じゃないから。
よく似ているとは言われるけどねー」



あ、違うんだ。

確かに、凄く似ている。




「弟がね話していたんだよ。
輝飛クンに可愛らしい彼女が出来たって。
輝飛クン、凄く嬉しそうだったってね」





輝飛…。





「輝飛クン、小さい頃から病気がちで、発作もたまに起こすから、学校には行けなかったから、友達がいなかったんだよね」




しみじみ、まるで孫のことを話すような口ぶりだ。




「今はだいぶ安定してきているから、学校にも行けるけど…。
やっぱり安定してきたのが中学生の頃だから、友達の作り方とかわからなかったみたいでね。
弟の喫茶店にはよく顔を出していたみたいだけど、滅多に笑わないって」



そういえば、奥田先輩から話しかけてもらったって、輝飛言っていたっけ?




「そんな輝飛クンが、最近笑うようになったって。
きっと…望愛ちゃんのお蔭だね」



あたし…。




あたしの中で、輝飛は大きな存在だったけど、

もしかして輝飛の中でも、大きな存在だったのかな…?







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