最初で最後の、恋だった。









「輝飛クンにとって、望愛ちゃんは大事な存在だよ。
きっと初めて…輝飛クンに居場所を与えてくれたんだね」




居場所…?

その単語に、引っ掛かりを感じた。




「どういう意味ですか?
輝飛に居場所を与えたって…」

「そのままの意味。
輝飛クンね、居場所がなくなることを恐れているんだと思う」



輝飛が…?

あたしと同じ……?




「自分を愛してくれる人。
自分に居場所をくれる人。
自分を必要としてくれる人。
自分が生きていても良いと言ってくれる人。
自分の、存在価値を教えてくれる人。

輝飛クンは、ずっと求めていたんだ」




あたしが求めていたものと…一緒……?




「望愛ちゃんは、きっと初めての人なんだよ。
輝飛クンを愛し、必要としてくれる人。

輝飛クンの愛って、多分歪んでいると思うんだ。
それはきっと、愛し方を知らないから。
愛されたことも、愛したこともない人間の愛は、歪んでしまう。

ただその愛は、ただ歪んでいるんじゃない。
初めての人だから、きっと手放したくない。
それ故に歪んでしまうんだ。

人はソレを狂愛と呼ぶかもしれない。
でも、本当は純愛なんだよ。
純粋に真っ直ぐ愛してしまうから、歪んじゃうんだ」





純粋に…真っ直ぐ…愛してしまう……。







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