最初で最後の、恋だった。
「普通の人って言うのは、90歳ぐらいのこと。
今は医療技術が発達しているからね。
90、100までは皆余裕に生きているよ。
でも輝飛クンは、少し他の人と比べて心臓が弱いから。
90、100までは生きられない。
早くて…40歳50歳ぐらいだと思うよ」
何だっ…。
結構長生きするんだ!
あたしは涙を拭い、笑った。
オジサンが出て行き、あたしは椅子に座り、輝飛を眺めていた。
綺麗な寝顔を見ていると、病気を抱えている風にも、人を殺めた人にも見えない。
でも…全てが事実なんだ。
でも大丈夫デスヨ。
あたしも…一緒デスカラ。
「…望愛……?」
面会時間も終わる時間。
輝飛は目覚めた。
もう、辛くないみたいだ。