最初で最後の、恋だった。
「何しているんですか?」
「おいで」
「えっ?」
「おいで。
望愛なら入れるでしょ?」
「良いんですか?」
「うん。
俺、別に怪我しているわけじゃないし」
輝飛に腕を軽く引っ張られ、あたしは病院のシングルベッドの上に寝転ぶ。
狭いので、隣には輝飛のかっこいい顔。
…あたしの顔、多分真っ赤だ……。
「望愛、こっち向いて」
「…ッ///」
「良く出来ました」
まるで小さな子をあやすかのように、あたしの頭をなでる輝飛。
大きくて優しい掌に、あたしはほっとする。
「また発作が来たら、言ってください。
あたし、輝飛の主治医さんに、頼まれてますから」
『望愛ちゃん。
もし居たいなら、面会時間過ぎても居て良いよ。
ただしその代わり、輝飛クンが発作を起こしたら、すぐに呼んでね』
「わかった。
でも、今は平気。
望愛が隣にいるから、安心できる」
「あたしもです」
あたしたちは、手を繋いだ。