最初で最後の、恋だった。
「…てか俺、未練がましいね」
ベッドの枕元にある、オレンジ色のランプが、部屋を照らす。
「望愛に別れてほしいって言ったの、俺なのに。
またこうして、俺は望愛を欲している。
…望愛に傍にいてほしい、望愛を離したくないって思ってる」
「あたしもですよ、輝飛」
「俺みたいなのでも、良いの?」
「…あたし、後悔したんです。
何であの時、輝飛を怖いって思ったんだろうって。
あたしのために、輝飛はヤッてくれたのに。
しかもあの後でしょう?
輝飛が倒れたの。
あたし、家政婦さんから聞いて、凄く後悔しました。
あたしがあの時、帰らなければ、輝飛が苦しむこともなかったって。
輝飛の主治医のオジサン、言っていました。
愛が歪んでいるのは、愛したことも、愛されたこともないから。
ただ真っ直ぐに、わからないまま純粋に愛してしまうから、愛が歪んでしまうって。
そうしたら、きっとあたしの愛も歪んでいます。
あたしは愛されたことも愛したこともないです。
あたしは…輝飛と一緒なんです」
「俺と一緒?」
「はい」
あたしは、言うことにした。
輝飛には、ありのままのあたしを知ってもらいたかったから。
「世間には、まだ知られていないんですけど」
「うん」
「あたし…
親戚を殺したんです」