最初で最後の、恋だった。






輝飛もさすがに驚いていた。




「叔母さんも叔父さんも、輝飛を馬鹿にしたんです。
輝飛は誰よりもかっこいいはずなのに、イケメンじゃない、不細工だってけなしたんです。
だから…許せなくて……」



あたしは叔母さんたちの息子の殺した経緯を話そうとし、思い出して泣いてしまった。



「望愛?」

「ごめんなさい…」

「どうして謝るの?」

「あたし…初めては輝飛が良かったんです……。
でも…逆らえなくて……ッ」

「何があったの?
俺は望愛のことならどんなことも受け止める。
だから…ゆっくりで良い、話して?」




「叔母さんたちの息子は…中学生なんです…。
ただ、柔道部に入っているので、体つきはあたしより大きいんです。

あたし…
毎晩のように…その息子に…犯されたんです。

あたし、初めては、輝飛が良かったから……。
あたし、必死に抵抗したんです。
でも…勝てなくて…犯され続けて……。

あたしに触れて良いのは輝飛だけ…。
そう思って、気が付いたら…死んでいたんです……」






―――目の前には、血まみれの死体。

どうしよう。

叔母さんたちにバレて逮捕されたら、あたし、輝飛に会えなくなる。

どうしよう…どうしよう…ドウシヨウ……。




そうだ。

切り刻めばいいんだ。

幸い、叔母さんたちはまだ帰る時刻じゃない。

切る時間は…十分に…アル……。







どうしよう…。

切り刻んだのは良いものの…このお肉たち、どうしよう?

どうしよう…どうしよう…ドウシヨウ……。




そうだ。

まだ晩ご飯は作っていない。

材料も買っていない。






…夕食にシチャオウ♪

のんくんのお肉が、美味しいステーキになるよ!










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