最初で最後の、恋だった。







「望愛。
その死体、今どこにあるの?」

「家の中…。
死体って、放っておくと臭いんだね。
周りの人に通報されないかな…?」

「殺してから何日ぐらい?」

「2日ぐらい」

「なら大丈夫。
俺ももうすぐ退院だから、退院したら、一緒に死体埋めよう?
それで望愛、家を売っちゃいなよ。
それで俺の家においでよ。

死体って放っておくと白骨化するでしょ?
白骨化したら、誰だかわからないから。
万が一わかったとしても、望愛が犯人だとは気が付かれないはず。

それに俺には、凄い味方がいるから。
ソイツに頼めば、親戚たちの捜索願を取り下げられる。
望愛が見つかることも、決してないよ!」




そういえば最近、お兄ちゃんを殺した通り魔の事件、犯人が捕まっていないにもかかわらず、警察は動いていないし、騒ぎにもなっていない。

輝飛の言う“ソイツ”が、事件を消してくれたのかな?




「後の処理は俺に任せて?
俺が望愛を守るからネ?」

「ありがとうございます、輝飛」




クスクス笑うあたしたち。





ほらね。

あたしたち、一緒でしょ。



相手のためなら、

殺人も躊躇ワナイ――――――――…。








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