最初で最後の、恋だった。
エピローグ
☆輝飛side☆
「望愛。
すぐ行くから、ちょっと玄関で待ってて」
「わかった!」
俺と望愛は、学校では知らない人がいないほど有名な恋人になった。
望愛も、ずっとお兄さんに隠せと言われてきた長い前髪を切り、無邪気な笑顔が露わになっている。
でも、望愛は俺のモノ。
誰にも、譲ラナイカラ――――…。
「相変わらず仲良いなぁお前ら」
「春馬」
「…ここじゃ無理だな。来い」
「早めに終わらすよ。望愛1人だから」
「はいはい。過保護だなぁお前は」
「…春馬」
「そ、その無表情やめろ」
何故か笑顔を消しただけで、春馬は怖気づく。
まったく、小心者だなぁ。
まぁ、望愛を取る心配がないから、安心できるけど。
「で?例の話か?
アレならもみ消したって言っただろ?」
「違う。
望愛のお兄さんの通り魔事件の話じゃない」