最初で最後の、恋だった。
第2章
★幸せの昼休み
☆☆☆
「「キャアアアアアッ」」
いつも通り、女子の黄色い声を聞きながら、木の影から先輩を見守る。
相変わらず…かっこいいわ。
先輩をチャイムが鳴るまで見守り、あたしは教室へ戻る。
授業中、先生の話も聞かず、あたしは生徒手帳に挟んでいる紙を取り出した。
そしてバレないよう見て、机に突っ伏し、隠れて微笑む。
誰かに見られていて「キモい」だの言われても困るから。
突っ伏したなら、誰にも見えないから。
でも、どうしてこの手紙が…。
挟んだのは、間違いなく先輩だ。
先輩とあたし以外、生徒手帳を持たないから。
この手紙の内容…本当かな?
嘘だったら…どうしよう?
先輩実は遊びで女の子と付き合うことが多くて…。
駄目、そんな妄想しちゃ。
先輩は確かに女の子に優しいけど、特定の彼女がいるなんて情報はない。
休み時間は大体、どこの女子グループも、先輩の話をしているから。
彼女がいるなんて噂、瞬く間に広がって、あたしが知らないことなんてないはずだ。
だから先輩には…彼女はいないはず。
…先輩を信じて、行ってみよう。