最初で最後の、恋だった。
わからぬまま首を傾げると、先輩は説明を始めた。
「そういえばいきなりだったね。
望愛ちゃん、いつもお弁当、誰かと食べてる?」
「…食べてないです」
友達のいないあたしだから。
お弁当を食べる友達もいない。
「これからさ、俺と一緒に食べない?」
「え!?」
驚きばかり溢れるお誘いだった。
そりゃ憧れの先輩とのお昼ご飯。
どんなご飯も美味しく思えるはずだ。
でも、あたしみたいな目立たない地味子で幽霊が、常に皆の注目を浴びる先輩とお昼ご飯を食べるなんて。
信じられない光景だ。
「いきなりだよね…」
先輩は何故か寂しそうな顔をした。
「あたしなんかで…良いんですか?」
「ん?勿論!
望愛ちゃんだから誘うんだよ」
パッと笑顔になる先輩。
「もし望愛ちゃんさえオッケーだったら、毎日一緒にお昼食べよう?
それで出来れば…俺のお昼ご飯も…作ってきてくれないかな?」
「あたしの作るお弁当で良いんですか?」
「うん。
望愛ちゃん料理上手いじゃん。
毎日食べても飽きないよ!」
先輩が…輝飛先輩が…あたしのお弁当を!?
し、心臓いくつあっても…足りないよォ!!