最初で最後の、恋だった。

★2人だけの時間









その日からあたしの毎日は、幸せに溢れていた。





毎日、先輩とお昼ご飯。

先輩はあたしのことを知っているから、お昼以外は話しかけては来ない。

寂しいけど、その分お昼休みには沢山話す。





先輩はあたしの作るお弁当を喜んで食べてくれる。

リクエストも多々もらうので、それに沿ったお弁当を作る。

前はめんどくさいなぁ…と毎日思っていたお弁当作り。

でも今は、楽しくって仕方ない。

先輩がリクエストする、でも栄養バランスを気を付けたお弁当。

先輩の笑顔が大好キダヨ…。





メアドも交換したから、夜メールをする。

お兄ちゃんはあたしに興味なんてないから。

あたしが部屋に閉じこもれば、気にしてなんてくれない。

両親が亡くなった直後は哀しかったけど、今は好都合。

お兄ちゃんがあたしに無関心で、本当に良かったと、凄く思える。




ただ、暴力が消えたわけじゃない。

目が合えば殴られ、蹴られ…。

先輩に気づかれないか、毎日お昼は楽しい分ビクビクする。

先輩はあたしの目を見て話してくれる。

顔には決して傷をつけないお兄ちゃんだから。

バレる恐れは全くない。






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