最初で最後の、恋だった。
あたしは先輩が校舎に入ったことを確認し、後を追う形で校舎へ入る。
ストーカーとは思われない。
だって、あたしと同じことをしている女子は、大勢いるから。
「おはよー輝飛」
「おはよう春馬」
あ、
奥田春馬(おくだ・はるま)先輩だ。
奥田先輩は、輝飛先輩のお友達。
よく一緒にいる所を見かける。
あんまりイケメンじゃないけど、輝飛先輩は誰に対しても優しいから。
あたしにも優しくしてくれるのかしら…?
あ、駄目だ変な妄想しちゃ。
玉砕した時に、辛くなるから。
はぁ…先輩、あたしのこと知っているかな?
あたしは先輩のこと、知っていますよ。
と言っても、あたしはストーカーなんてしないと決めているから。
盗撮などもしないと決めているから。
あたしの知る先輩の情報は、全て先輩が大好きな女子たちが話していたこと。
ネェ先輩。
あたし地味で、何の取り柄もないですけど。
可愛くて美人で秀才でスポーツも出来る女子たちに負けられないこと、1つだけあるんです。
誰ヨリモ
先輩ガ好キナコトデスヨ。