最初で最後の、恋だった。
店内にお客さんは誰もいなくて。
あたしたちだけの貸し切り状態。
まぁその方が良い。
先輩と2人きりの空間が欲しいから。
おじいさんは…仕方ない。
店長さんみたいだから、出て行けなんて言えないし。
我慢するか。
「望愛ちゃんどれにする?」
「あたしは…ミルクティーにします」
「オッケー」
ドキンッ。
あぁ、あたしって重症。
先輩の言葉、行動、姿。
どれもにいちいちドキドキしちゃっている。
「おじさーん」
何だか親しそうに呼ぶ先輩。
「おー。
よく見たら輝飛クンじゃないか。
その子は彼女?」
「そうです。
三ノ矢望愛ちゃん」
「そうかー。
可愛い彼女を作ったなー」
「望愛ちゃん。
俺、たまにこの店来るの。
お客さんいないから、俺が来て潤してんの」
「輝飛クン…失礼なこと言うなよー」
「えー本当のことですよねー?」