最初で最後の、恋だった。






楽しそうにおじさんと笑う先輩。

先輩…お年寄りにも優しいんですね?

さすが輝飛先輩。




「で?ご注文は?」

「ミルクティーと、ホットコーヒー」

「ホットコーヒー?」

「ん?おじさんとうとうボケました?
俺、いつもソレ頼んでいますよね」

「違うよ。
年寄り扱いするなよ。
そうじゃなくて、ホットコーヒーの豆あったかなって」



おじさんは首を傾げながら奥へ入り。

慌てたように出てきた。




「ごめん輝飛くん。
豆丁度切らしてんだわ。
ちょっと近くの店から取ってくるから、彼女さんと待ってて」



え?

おじさんは先輩にお店の鍵を預け、お店を出て行った。




2人きり…!?




「普通お客に店預けるかっつーの。
誰か入って来たらどうするんだよおじさんも。
俺、喫茶店でバイトとかしたことねーんだけど…」



文句を言いながらも、どこか楽しそうな先輩。

ソレを見ているだけで、あたしは癒された。







< 41 / 157 >

この作品をシェア

pagetop