最初で最後の、恋だった。
楽しそうにおじさんと笑う先輩。
先輩…お年寄りにも優しいんですね?
さすが輝飛先輩。
「で?ご注文は?」
「ミルクティーと、ホットコーヒー」
「ホットコーヒー?」
「ん?おじさんとうとうボケました?
俺、いつもソレ頼んでいますよね」
「違うよ。
年寄り扱いするなよ。
そうじゃなくて、ホットコーヒーの豆あったかなって」
おじさんは首を傾げながら奥へ入り。
慌てたように出てきた。
「ごめん輝飛くん。
豆丁度切らしてんだわ。
ちょっと近くの店から取ってくるから、彼女さんと待ってて」
え?
おじさんは先輩にお店の鍵を預け、お店を出て行った。
2人きり…!?
「普通お客に店預けるかっつーの。
誰か入って来たらどうするんだよおじさんも。
俺、喫茶店でバイトとかしたことねーんだけど…」
文句を言いながらも、どこか楽しそうな先輩。
ソレを見ているだけで、あたしは癒された。