最初で最後の、恋だった。
「奥田先輩とは…いつからお知り合いなんですか?」
綺麗な青空を眺めながら、あたしは尋ねる。
「高校入ってから。
だからかれこれ…3年の付き合いになるね」
「どうやって知り合ったんですか?」
「そうだなぁ…」
思いだすように、先輩は目を閉じる。
数分閉じていたが、薄っすら開いて行く。
「俺が1人で教室で本読んでいたら、話しかけてきた。
アイツ…困っている人とか、放っておけないタイプだから。
それで…特に共通の好きなモノとかなかったけど…アイツが積極的に話しかけてくるから…次第に俺からも話しかけるようになった」
「楽しいですか?一緒にいて」
「そりゃあね…。
楽しいは楽しいよ。
アイツのお蔭で、今までは充実していたからね」
今までは?
「今は違う。
…望愛ちゃん、君のお蔭で、毎日充実している」
「あたしですか…?」
思ってもみない意見だった。
「望愛ちゃんのこと、俺本気だから。
望愛ちゃんを誰のモノにもさせない」
「嬉しいです…先輩……。
あたしは…先輩のモノです…。
先輩も、他の人のモノにならないでくださいね?」
もし誰かのモノになったら…
許シマセンカラ……。