最初で最後の、恋だった。
見つけたのは、小さな公園。
助かったと思いながら、公園へ向かう。
ベンチを見つけ、崩れるように座る。
それと同時に、
雨が降って来た。
次第に雨は強さを増し、黒髪をドンドン濡らしていく。
…このままあたし、死ぬのかな?
どうせ死ぬなら…輝飛先輩の腕に抱かれて…死にたいよ…。
あたしはひたすら泣いた。
もう雨か涙かわからないぐらい、泣いた。
泣いて泣いて…泣きまくった。
…何時間ぐらい経っただろうか?
もう涙は枯れたようで、出なくなった頃。
―――雨が、止んだ。
否、止んではいない。
誰かがあたしに、傘を差し出したんだ。
「…!?」
「望愛ちゃん」
見上げると、先輩が立っていた。
傘をあたしの方に傾けたまま、優しく微笑んでいる。