最初で最後の、恋だった。
「言いたくなかったら、無理に話さないで良いよ。
誰にだって、話したくない秘密の1つや2つあるもんね。
ただ…話したくなったら、いつでも話して。
俺で良ければ…力になるからさ……」
ニコッと、優しく先輩は、太陽のように笑う。
しかも夏のような、強い笑みじゃない。
優しく…見守る…月のような太陽の笑みだ。
例え方が可笑しいけど…そんな感じがする。
「…先輩……」
「ん?」
「…少し…休んでも良いですか?」
「良いよ。
俺のベッドで良ければ、いくらでも休んで」
「ありがとうございます…」
ほっとしたら、眠くなってしまった。
お言葉に甘え、先輩のベッドに寝転がる。
先輩の優しいにおいがして、安心する。
あたしはすぐ、眠りについた。
「望愛ちゃん…。
君は…変わったね…。
あの時のように…笑わなくなった…。
何があったの…?
俺で良ければ、いくらでも望愛ちゃんの力になるからね。
いつでも…俺を頼って?
君は…
俺の…
聖女(マリア)だから……」