最初で最後の、恋だった。






「特待生ですか…。
さすが先輩、頭良いですね」

「元々良くないよ。
ただ良くなくちゃ、高校にいられない。
望愛ちゃんに会えなかった」



先輩は、あたしの近くにしゃがみ込む。



「俺、今凄く幸せ。
望愛ちゃんには学校でしか会えないから、正直言って寂しかったんだ。
でも今は、学校じゃないのに、望愛ちゃんが横にいる。
…この幸せ、ずっと続いてほしいなって思うよ……」

「先ぱ…」



あたしは先輩にキスされた。

甘い甘い、キスだった。

そしてそのまま肩を掴まれ、ベッドに押し倒される。

いきなりで驚いたけど、先輩なら良い。

先輩だから…良い。




「望愛ちゃん…」

「先輩…」

「俺、望愛ちゃんが好き…」

「あたしも…愛しています」




再びキスを交わした。








「そういえば先輩、ご両親は…?」



長いキスを終え、話しかけてみた。

先輩は机の回転椅子を回し、こちらを向いた。






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