最初で最後の、恋だった。
第4章
★あたしのモノ
次の日。
目覚めると、隣で先輩が寝ていた。
なかなか朝起きない低血圧なあたしだけど、今日は飛び起きた。
スースーと規則的な寝息を立てながら、先輩は寝ていた。
その寝顔が何だか可愛くて…ドキドキしてしまう。
朝からこの寝顔は…反則だ。
「望愛ちゃん…?」
眠そうな視線を、あたしへ向けてくる。
「お、おはようございます…先輩」
「おはよ。早起きだね」
「お、お弁当作りたくて」
「なるほど…。
おいで、台所まで案内するから」
目をこすりながら、先輩は部屋を出る。
あたしも一晩休んだら足の痛みも引いていて、すんなり歩けた。
しかしこんな無防備な先輩、見ていてドキドキしちゃう。
こんな姿見られたのは、辛かった昨日の夜のお蔭。
感謝シナクチャネ。
「ここ台所。
自由に使って良いよ」
「はい」
あたしは制服姿のまま、綺麗な台所に立つ。
昨日は制服のまま外に出されたからね…。