最初で最後の、恋だった。







連れて来られたのは、まぁー王道の体育館裏。

目の前には、山野雅の他に、金魚のフンみたいな取り巻きたちがいる。




「これ、説明してもらえるかしら?」



山野雅に見せられた写真。

それを見て、あたしの心臓は嫌な音を立てた。




その写真には、輝飛先輩と、あたしの手を繋ぐ姿…。

場所は先輩の家の前…。

今日の朝、撮られたモノみたい…。

まさか…見られていたなんて……。




「今日の朝、誰よりも早く輝飛様を見たくて、行ったのよ」



あのー雅さん?

それ、ストーカーですよね?



「そうしたら、まさか三ノ矢さんが出てくるとはねー」

「………」

「どういうこと?説明してもらえないかしら?」

「………」

「まさかアンタ、輝飛様と付き合っているんじゃないでしょーね?」

「………」




付き合っているけど…言えない。





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